初めて降りた駅で、改札を出たところに「アトレ」があると、なんだかワクワクした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
いわゆる“駅ビル”のひとつであるアトレは1990年9月にJR四ツ谷駅に誕生。フランス語の「魅力(attrait)」に由来する通り、駅と街の魅力を高めるとともに、出店するショップの持ち味を引き出す「プロデュース型運営」が特徴となっており、現在は首都圏で32店舗を展開しています。中には「アトレが開業してから乗降客数が増えた」という駅も。
今回の記事では、魅力ある駅ビルのつくり方についてアトレと、アトレのショップを代表して「日比谷花壇」にお話を伺ってきました。
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『みんなが探した!住みたい街が多い路線ランキング』でJRが上位を独占!人気の秘密はアトレにあり?
▲今回お話をうかがったアトレとアトレのショップ「日比谷花壇」の方々。
左から:山田智士さん、千島晶さん(日比谷花壇)、北野正和さん、根本大貴さん、塩見明香さん
▲首都圏のJR東日本の各駅で店舗を展開するアトレ
2023年3月、LIFULL HOME’Sが初めて発表した『〈首都圏版〉みんなが探した!住みたい街が多い路線ランキング※1』によると、1位はJR京浜東北・根岸線、2位はJR総武線、3位はJR湘南新宿ライン、4位はJR中央線と、JR沿線が上位を独占する結果となっています。これはJRならではのターミナル力やアクセス性に加え、多彩な商業機能が揃った「駅力の高まり」がカスタマー評価につながったものと考えられます。その“機能的な駅づくり”の一翼を担っているのが「アトレ」です。
※1:LIFULL HOME’S:〈首都圏版〉みんなが探した! 2023年住みたい街が多い路線ランキングhttps://www.homes.co.jp/cont/data/data_00139/
今回はアトレのショップを代表して「日比谷花壇」にもお話を伺って、アトレと街の関係やその魅力についてインタビューを実施。まずは、アトレがどのように商業施設の企画や運営を行っているのかをお聞きしました。
北野さん:「アトレではまず "地域との共生” を何より大切にしています。その街や、駅を利用するお客さまのライフスタイルに合わせて、MD(マーチャンダイジング)計画を柔軟に変化させている点が、実は他の商業施設とはちょっと違っている点かもしれません。」
▲株式会社アトレ運営推進部 担当部長の北野正和さん
山田さん:「100の街があれば100の顔のアトレがある──をミッションとしてプロデュース型運営を行っています。そのため、店舗ごとにショップの構成や内装デザインなどテーマ性が異なっています。例えばアトレ品川ですと、主にビジネスシーンでのご利用を想定して「洗練」「上質」「本質」を意識した『NY STYLE(ニューヨークスタイル)』をコンセプトにしており、ニューヨーク発祥のショップが出店しているほか、内装もニューヨークのビルに見られるようなをレンガをモチーフにするといった総合演出をしています。
プロデュース型運営の原点は、1997年開業のアトレ恵比寿です。当時は恵比寿ガーデンプレイスが開業し、JR恵比寿駅には新たに埼京線も発着するようになるなど、駅や街の大きな変化が見られた時期でした。そこで、当社は駅と街をもっと楽しく、魅力的につなぐ駅ビルをつくりたいと考え、アトレ恵比寿のプロデュースに力を尽くしました。
その後に開業やリニューアルした店舗でも、こうした手法でつくり出してきた魅力が話題となって、不動産業界で注目を集めるような事例が出てきました。近年では2015年に開業したアトレ浦和がよく話題に上りましたが、駅や街のポテンシャルを引き出していく運営手法は、私どもアトレの得意分野だと思っています。」
▲株式会社アトレ運営推進部 デジタル・コミュニケーション室長の山田智士さん
▲浦和駅1日平均利用(乗車)数は、2015年11月のアトレ浦和North Area・South Area開業前の約8.8万人から、アトレ浦和West Areaが開業した2018年までに約9.5万人への,伸びを示し、埼玉県下の「住みたい駅」として圧倒的な人気を誇るようになった
街にあるものを活かし、足りないものを増やす──街との「共存共栄」を目指した店舗開発
▲大規模再開発によりエリア人口が急増中の亀戸駅前。「かめちか」の愛称で親しまれているアトレ亀戸の地下食品フロアには地元の名店が出店
塩見さん:「新規店舗開発の際は、その街の歴史や、地域の皆様の世代・志向・生活動線などを考えてショップの誘致を行っています。最も大切にしているのは“地域と共存共栄すること”です。駅前商店街などすでに街の中にあるものを活かしつつ、足りないものをアトレの中に増やしながら、駅を便利に使っていただくことを目指しています。
また、アトレには日比谷花壇さんや成城石井さんなど、全国ブランドのチェーン店が入っているイメージをお持ちの方も多いと思います。アンテナの高いチェーン店も魅力ですが、アトレでは一方で、専門の交渉部隊が地元店舗の誘致も積極的に行っています。例えばアトレ亀戸では、地元で愛されてきた老舗和菓子店やお弁当屋さん、みそ専門店など、地域の方々にも人気のご当地ショップが入っているので、お客様からもご好評をいただいております」
▲株式会社アトレ総務部広報室の塩見明香さん
ご当地パンや学生さんたちとのイベントも開催。EC全盛の今も「リアル接客」と「コミュニケーション」にこだわり、店と地域をつなぐ
▲2023年1月に開催された吉パンは、昨年に続き2回目の開催
北野さん:「よく“アトレはEC(通販サイト)市場に参入しないんですか?”と質問を受けるのですが、私どもにはまず、“人と街を結ぶ”という目的がありますので、あくまでもリアル接客にこだわっています。あえて駅の通路と店舗の境目がお客様の動線として自然なように駅との一体感を演出し、旬の商品トレンドやお店の人たちの活気を感じていただきながら、街に出られる動線を工夫しています。また、情報発信に関しては、LINE公式アカウントやツイッターなどのSNSを積極的に活用し、店頭へ実際に出かけてみたくなるような商品やイベント情報を随時お届けしています」
塩見さん:「過去のイベントでは、アトレ吉祥寺で行った食のイベント『吉パン』が大盛況でした。中央線沿線の美味しいパン屋さん12店舗がアトレに大集合したのですが、お客様は美味しいパンとの出会いにつながり、地域のお店の方は新たなファンの獲得につながったため、お客様からも参加店舗さんからも大変ご好評をいただきました。
また、アトレ大井町では昨年度の『鉄道開業150年』を記念して、地元私立学校の生徒さんたちが製作した鉄道ジオラマの運転体験会や、近隣の皆様が撮影した鉄道写真のコンクールを開催したところ、多くのお客様にご来店いただきました」
山田さん:「店舗でのイベントだけでなく、昨年は、プレイアトレ土浦がある茨城県土浦市で芋ほり体験ツアーも行いました。JR常磐線の土浦駅から車で15分ぐらいのところに、耕作放棄地を活用した『アトレのはたけ』があるのですが、そちらへ主に都内からのお客様をご招待し、芋ほりの後はプレイアトレ土浦に併設の『星野リゾートBEB5土浦』に一泊していただき、地元JAや土浦市と連携しながらお客様をおもてなしするツアーでした。これがとても好評でしたので、いま第二弾に向けて計画を進めています。こうしたイベントは、各店舗の担当者を中心に、アトレ社員が地域を行脚しながら企画しています」
▲JA水郷つくばや土浦市とタッグを組んで実現したプレイアトレ土浦の「芋ほりツアー」は好評につき第二弾を計画中
“ちょっと上質な暮らし”を提案、アトレに欠かせないショップのひとつが日比谷花壇
▲JR恵比寿駅の東口改札前にある「Hibiya-Kadan Style アトレ恵比寿店」。感度の高い常連客が集まるアトレ恵比寿のショップでは、他店では見かけないような珍しい品種の生花からフラワーベースまで販売しており、旗艦店的ポジションに位置づけられている
アトレの魅力を一緒につくっているのが入居店舗。
その中で、常に慌ただしく人々が行き交う駅改札前に四季の彩りを華やかに演出する役割を担っているのが「日比谷花壇」です。花卉小売り大手の日比谷花壇は全国に店舗を展開していますが、「そばにいつも花のある暮らし」をコンセプトに、旬の花で喜びと潤いに満ちたライフスタイルを提案するカジュアルブランド「Hibiya-Kadan Style」は全店舗の約7割を占めており、“お客様にいちばん近いショップ”としてギフトやデイリーユースの提案を行っているといいます。日比谷花壇の千島さんにもお話を伺いました。
千島さん(日比谷花壇):「アトレさんでは、店舗入り口のいちばん目につきやすい場所にHibiya-Kadan Styleを配置してくださっているので、駅からの動線のアイキャッチとして、すぐに季節が感じられるような演出を心がけています。これまでは、バラやガーベラなどその季節の旬のお花を中心としたテーマのフェアを行っていたのですが、最近は駅の人流も増えてきたので、新生活の緊張を癒やしてくれるような穏やかなグリーンや、今月の誕生石カラーなど、お客様の生活や関心に寄り添う“色”をテーマにしたディスプレイも積極的に取り入れています。
街なかの路面店ですと、わざわざお越しいただくという点で集客のハードルが高いのですが、アトレ店舗は駅に隣接しておりお客様の通勤・通学など生活動線の一部になっているので、日常の中で“お花のついで買い”をしていただいています。お客様の中には毎日立ち寄ってくださる常連さんもいらっしゃって、お客様とスタッフのコミュニケーション機会が多いという点もアトレ店舗ならではの特徴です。
また、アトレさんの営業担当者の方は、1日1回各店舗をまわってアトレさんが収集しているマーケットデータのフィードバックを行ってくれます。“最近こんな商品が売れている”とか“こういう演出が好評だった”など、ショップスタッフとのコミュニケーションを密にとって下さるので、こうした丁寧な情報交換がお店づくりに役立っています」
▲株式会社日比谷花壇営業渉外室の千島晶さん。
「駅の改札を出た時に“そういえばもうすぐ母の日だな”とか“そろそろクリスマスだな”とか、お客様の豊かな暮らしの気づきにつながるよう、季節感あふれるディスプレイを常に心がけています」
塩見さん:「日比谷花壇さんは、アトレの中でも改札からの動線から目につく場所にご入居いただいていますが、色とりどりの花が目に入ると季節感を感じていただけるので、店舗のイメージにも貢献いただいているな、と感じています。クリスマスや母の日・誕生日など、忙しくてわざわざ買いに行時間がないお客様も駅近くで帰り際に購入できるので、とても喜ばれています。お花を買って帰る、という心の余裕は暮らしのクオリティにもつながると思います」
千島さん:「これまでギフトを中心としていた実店舗の展開に加えて、日比谷花壇では、2019年6月から新たに月額987円(税抜)から気軽に利用できるお花のサブスクサービス『ハナノヒ』をスタートしたのですが、コロナ禍に突入して花や緑を求める声が増え、20代~30代のお客様のご利用が急激に増加しました。『ハナノヒ』は来店型のサブスクサービスで、店舗でご自身でお花を選んでピックアップできるので、“仕事帰りに立ち寄りやすい”というアトレ店舗との相性もとても良いと思っています。帰り道ついでにご主人がショップに立ち寄って下さり、ビデオ通話をしながら奥さまと一緒にハナノヒのお花を選ぶ…そんな微笑ましいシーンを見ていると、お花がご家族のコミュニケーションツールとして役立っているんだな、と嬉しくなりますね。
今後もアトレさんとは、フラワーアレンジメントのワークショップなど、連携して店舗イベントを行いながら、一緒に地域の皆様とのつながりを広げていきたいと考えています。」
▲日比谷花壇では2022年からモバイルオーダーをスタート。事前にネットで商品を選び店舗で受け取ることができる。また、各店舗のスタッフが配布するkoko tip(ココチップ)のQRコードを読み取ると接客したスタッフ宛てにお花の感想やありがとうのメッセージを送信可能。“リアル接客”ならではのカスタマーとの親密な距離感は、ショップスタッフのやりがいにもつながっているという
JRE POINTとLINE公式アカウントのID連携で、アトレのお得な最新情報をキャッチ!
▲JRE POINTとアトレ公式LINEをID連携すると、最新イベント情報やクーポンの配布など嬉しい特典が
アトレでは、地域のリアル店舗でのコミュニケーションにプラス、買い物を楽しんでいただくためにSNSを使ったお得な情報の発信も積極的だといいます。
根本さん:「アトレ各店舗のイベント情報に関しては、LINE公式アカウントを友だち追加していただき、かつ、JRE POINTとのID連携を行っていただくと、限定クーポンや最新情報をいち早くキャッチできる仕組みになっています。実はJRE POINTはお客様の志向分析にも活用されており、各ショップへのフィードバックにつながっています。LINE公式アカウントを通じて多くの方にアトレの魅力を知っていただき、その街の流行をリアルに楽しんでいただけるような店舗づくりを今後も進めていきたいですね」
▲株式会社アトレ 運営推進部デジタル・コミュニケーション室の根本大貴さん
駅や街の機能で暮らしの豊かさは変わる
──アトレは「街の魅力発信拠点」
住まいの最寄り駅や街に“どんな機能が揃っているか?”によって、暮らしの豊かさは大きく変わります。地域の魅力を発見しながら、その豊かさをトレンドともに足りないものを補完し新しい街の機能を増やしていく──これがアトレの強みであり、駅力や街の多様性を高める効果につながっているようです。
駅ごとに表情が異なるアトレは、駅と地域をつなぐ「街の魅力発信拠点」。
アトレを訪れ、各ショップのテーマや商品構成の内容を確認してみると、「どんな暮らしができるのか」、その街での生活をイメージしやすくなるはずです。
ぜひ、住まいの街選びの参考にしてみてはいかがでしょうか?
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<ライター プロフィール>
・ライター名:福岡由美
・住宅ジャーナリスト(FP技能士・住宅ローンアドバイザー):
■プロフィール:
大手保険会社で新契約事務に従事した後、ラジオレポーターへ転身。レポーター時代に自身のマンションを購入したことをきっかけに住宅ジャーナリストとしての活動をスタート。取材歴25年。現在は東京・名古屋を拠点に全国へ取材の場を広げ、住宅情報サイトに数多くのレポート記事を寄稿している。「ネタは足で拾う」を取材モットーとしており1日15km歩くことも。取材先で出会ったご当地グルメスポットは自身のブログで情報発信中。株式会社ヒューズ・エンタープライズ代表。https://huzenterprise.co.jp/